インフルエンザの逆襲!
この冬流行している「Aソ連型」のインフルエンザウイルスの大部分が、治療薬のタミフルに耐性をことが厚生労働省から発表されました。 昨シーズンの「タミフル耐性Aソ連型」が僅か2.6%だったのと比べて異常な増加を示しています! 一体、何が起きているのでしょう?
厚生労働省の報告によると、この冬に日本で流行しているインフルエンザは
「Aソ連型」「A香港型」「B型」の3種ですが、全体の36%を占める
「Aソ連型」インフルエンザについては、そのうち
97%が治療薬のタミフルに耐性を持ち、効かなかったり、効きにくくなっていたりしているようです。 この傾向は米国でも確認されています。 幸い、今のところは
「A香港型」と「B型」に関してはタミフル耐性変異は確認されていません。 昨シーズンは、ヨーロッパを中心に
タミフル耐性「Aソ連型」が高確率で出現し問題となりましたが、日本では2.6%と低い発生率で鳥取、島根、兵庫、山形、栃木、神奈川、長野、岐阜、愛知の患者から検出されました。 .........一転、今シーズンは
「Aソ連型」インフルエンザのほとんどがタミフル耐性という非常事態に陥っています。
インフルエンザ治療薬の使用状況
ここで、インフルエンザ治療薬について簡単にまとめておきます。 現在、インフルエンザ治療薬として使用が認められているのは、
1) M2チャンネル蛋白阻害剤[A型のみ有効]:塩酸アマンタジン(商品名:シンメトレル)、2) ノイラミニダーゼ(NA)蛋白質阻害剤[A&B型に有効]:オセルタミビル(商品名:タミフル)とザナミビル(商品名:リレンザ)の3薬剤です。
アマンタジンに関してはA型のみに有効であることや、耐性株を高確率で誘導することから使用は制限されています。 また、
リレンザに関しては、一般の薬と異なり吸入薬(経口投与ができない)という不便さから敬遠され、使用の年齢制限(満5歳以上)もあり年々使用が減少しています。 従って、医療機関で投与されるインフルエンザ治療薬の大部分が
タミフル[カプセル,ドライシロップ]という現実があります。(※リレンザはタミフルと同じ作用機序でNA酵素阻害剤として働きますが、インフルエンザのNA酵素蛋白に結合した時にNA酵素の疎水性部位の構造変化が少ないので、リレンザ耐性変異株の発生確率が極めて低いとされています。)
日本のタミフル使用量は世界一!
世界のタミフルの約70%が日本国内で使用されています。 これは、異常ですし、言わば、日本国民は
タミフル漬けにされているわけで、国も医療機関も医者も安易に
『インフルエンザ→タミフル投与』という方式を採用しています。 タミフル製造元のロシュにとって日本はお得意様ですし、医療機関もタミフルを処方した方が回転率が上がり収入アップするわけです。(薬価の観点でもタミフル>リレンザですから、医療機関の経営者はタミフルを選択する傾向があります。)
一方、日本の
タミフル漬けに警鐘を鳴らす方々も存在します。
タミフルを多用すればそれだけ
タミフル耐性のインフルエンザの出現を誘導してしまうという危険性があり、これまで
タミフル実験場と化した日本から、
タミフル耐性インフルエンザが登場しなかったのが不思議なくらいなのです。
リレンザとタミフルの備蓄、迅速なワクチン製造が必要!
この冬流行しているインフルエンザ「Aソ連型」では、タミフルが効きません! 今のところ、この
タミフル耐性インフルエンザは、昨シーズンヨーロッパで流行した変異株が日本に上陸したもので、タミフル漬けの日本で新たに発生した耐性株ではないとされています。 厚生労働省は、この事態に対して突然手のひらを返したように
『リレンザ』を使えと指導していますが、医療機関においては
リレンザを備蓄していないところもあるようで、現場では混乱しているようです。
今回は、単なる
タミフル耐性インフルエンザでしたが、このドタバタを
「新型インフルエンザ」発生時に置き換えてみると非常に恐ろしい結果になることが想像できます。 日本では、
「新型インフルエンザ」発生時に向けて
タミフルの備蓄を進めていますが、本当に
タミフル偏重で良いのでしょうか?
タミフル耐性の「新型インフルエンザ」が発生した場合には、備蓄した
タミフルが無駄になってしまうことに........... 厚生労働省は
「新型インフルエンザ対策行動計画」で、新型インフルエンザの治療薬として、
「タミフル」と
「リレンザ」の備蓄を実施するとしているが、インフルエンザ治療薬の備蓄の見直しと共に
迅速なワクチン製造ラインにも資金を投入することが必要と思うのですが..........
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タミフル耐性インフルエンザ9県で発見 国立感染研調査(朝日 2008/10/28)
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